ゴスペル音楽はアメリカ合衆国で生まれました。
アメリカが独立国となる以前から、西アフリカから船で連れてこられて奴隷にされた人々の多くが、南部の綿花畑で労働させられていました。この人たちを所有した白人たちがキリスト教徒であったため、奴隷たちはキリスト教徒になることを強制されました。また、家族とも離れ離れに暮らさせられ、その生活は大変厳しいものでした。
この人たちの間にキリスト教が浸透するにしたがって、賛美歌を独自に作り変えた音楽を歌い始めました。このようにして黒人霊歌が生まれたのです。
南北戦争が終わったとき、ほとんどの奴隷たちが自由の身になりました。信仰のために新しく自分たちのための教会を作り、神への崇拝とよりよい世界への希望を音楽で表現しました。黒人教会を規制する法律が作られたりするなど、状況が困難であればあるほど、彼らは強い祈りを込めてうたいました。
ジャズやブルースはアフリカ系アメリカ人によって生み出された音楽であることは皆さんもご存知ですね。彼らの祖先のアフリカ人たちにとって、手拍子や足を踏み鳴らすことが音楽での大切な表現方法でした。ジャズやブルースなどもこの方法を受け継いでいます。これらの音楽と聖書の言葉が一緒になって、今日のゴスペル音楽の基盤を形成したのです。
ゴスペル音楽は今では、世界中の人々を魅了し、アフリカ系アメリカ人だけではなく、いろいろな国の人々によって歌われています。それはきっと、この音楽の放つメッセージが、人種・民族・宗教を超えた、私たち人間すべてに共通の、生きることの意味そのものを歌ったものだからではないでしょうか。 |